私の回りで、タスク・プロジェクト管理ツールに「Trello」を採用している人が増えてきました。

Googleアカウントがあれば無料で利用できること、いわゆる「カンバン方式」と同様のプロジェクト管理ができること、ドラッグでタスクを移動する操作感が楽しいこと、などで高い評価となっているようです。

いっぽう、私はここ一年くらい、仕事・生活全般に「Nozbe」を利用しています。
CSS Nite in SAPPOROのライトニングトーク大会でもご紹介しています。動画・スライドはこちらからどうぞ。

ですが、Trello使ってるよ!という話をやたら聞くので、経費節減と浮気心でTrelloへの乗り換えを試してみました。

結果としては、「私には、Trelloはとても使いにくかった」という感想です。
使いにくいと感じた箇所を挙げてみます。

プロジェクトをまたいだ俯瞰ができない

Nozbeにログインした直後は、このような画面になります。
プロジェクトに関わらず、すべてのタスクの中で「重要(★)」となっているものが一覧表示されます。

おい期限切れのタスクがあるぞ

いっぽう、Trelloのログイン直後の画面はこうです。
最初の画面はボード(プロジェクト)の一覧となり、各ボードでの今やるべきタスクをまとめて俯瞰することはできません。

「俯瞰できない」という問題は、スマホアプリで見るとボード内にも及びます。基本的に超横長の画面が前提なので、縦長のスマートフォンでは、ひとつのリストしか見る事ができないのです。
やった・やってない・やるリストを左右にスワイプして見比べることになります。

拡張を追加するとカレンダー形式で見ることもできるのですが、今度は各タスクを視認しづらくなりますし、プロジェクトをまたいで見られないことには変わりありません。

それぞれのボードが徹底して独立し、カオス化を許さないという点では、Trelloはプロジェクト管理の理想なのかなと思います。

期限の自動通知がない

Trelloの通知機能(メールではなくアプリ内通知)は基本的に「プロジェクト内の他ユーザーが何らかの変更を行ったとき」に通知が来るというものですが、「タスクの期限が来たとき」に通知を出す方法がわかりませんでした。
期日になると、タスクの日付の色が変わるのですが、通知欄に出るわけではなく、あまり目立ちません。

Nozbeの場合、先述の「重要」が通知扱いとなっています。他のユーザーからコメントがあったときの他に、期日が来たときも、自動的に★が付きます。
私は忘れっぽいので、だいぶ前にタスクを作っておいて、この通知で当日思い出したりします。

繰り返しタスクを作れない

Trelloは「タスクをドラッグ・ドロップしてリスト間を移動する」という仕様のためか、一定期間で繰り返すタスクを作るという概念がありません。

私は繰り返しタスクを良く使います。サーバーのバックアップや、ゴミ捨てです。
ゴミ捨てなどは毎週、しかも何種類もあるわけで、それを毎回移動し直すのは手間です。

Trelloのタスク期限設定画面

タスクの区別がつきにくい

TrelloもNozbeも、プロジェクト・ボードによる大きな分類のほかに、「電話」とか「買い物」といった小分類を加えることができます。

Trelloでは「ラベル」と呼ぶのですが、カードに色の帯がつくUIとなっています。冒頭と、次項のスクリーンショットをご覧ください。
コンパクトなのは良いですが、各色がなんであるか覚えておかなければいけないという欠点があります。

いっぽうNozbeは「カテゴリー」と呼び、アイコンを選べます。タスク一覧画面のスクリーンショットをご覧ください。場所を取るUIとなってしまいますが、直感的です。
なお、アイコンにも色を付けられるのですが、プロジェクトは色、カテゴリーはアイコンで常に判断するため、わざと灰色にしています。

ドラッグは意外と面倒

最後に、身も蓋もない話ですが「ドラッグ」という操作は楽しさ以上に面倒でした。自分不器用ですから。

タスクをしっかりホールドし、目的の場所まで動かし、ドロップする。ドラッグというのはけっこうシビアな操作を求められます。

特にスマホアプリで利用したときに、ドラッグの面倒臭さが気になりました。ドラッグしたまま左右のリスト、つまり画面の端に持っていかなければならないのです。

Nozbeは、順番変更以外のすべての操作はタップのみです。

Trelloも、クリック(タップ)でリストを移動する方法は用意されています。が、ステップがNozbeよりどうしても多くなります。

まとめ

そんなこんなで、数日でNozbeに戻りました。
解約するつもりで無料版にダウングレードしたのですが、また一年分のお金を払うつもりです。

まとめると、Trelloが私に合わなかった理由は以下の通りです。これと同じ状況の人はNozbe、逆の状況の人はTrelloが向いているということになります。
同じタスク管理でも、Trelloは団体でのプロジェクト進行に最適化されたツール、Nozbeは個々のタスク処理に最適化されたツールのように思います。

  • スマートフォンでの利用が多い
  • 複数人で共有していない
  • 忘れっぽい
  • 週次・月次レビュー(※)はあまりしない
  • 細かい分類が好き
  • 繰り返しタスクが多い

※週・月単位でカレンダーに並んだタスクを見て、期限超過や、こなす必要がなくなったタスクを整理すること

おまけ:Nozbeいいよ!

一年使ってきましたが、お世辞抜きでNozbeは良いツールです。
ここだけNozbeのアフィリエイトリンクを貼っておきます。気になった方は、このリンク経由で試してもらえると嬉しいです。

タスク管理ツール「Nozbe」を試してみる

創始者のマイケル・スリウィンスキ氏による全10回の「生産性を高める10ステップ」は、他のツールを使っている人にも参考になると思います。
流暢なのだけど若干不思議な日本語がじわじわきます。

この記事を書いた人

うぇびん

愛知県豊橋市に住んでいる、荒ぶるウェブおばさん。WordPressをはじめとした各種CMSを研究するのが好き。札幌のIT企業のビットスター株式会社に所属しています。