先週末、2015年9月15日に開催された「WCAN 2015 Autumn」の2コマ目で、CMSディレクション全般についてお話をしてきました。

「CMSは2つ以上使えるようになろう」「案件ごとに適したCMSを選定するコツを身につけよう」という、ひじょうに難しいテーマにもかかわらず、多くの方にお越しいただきました。ありがとうございます。

  • セッション直前に鞄からマウスを出そうとして、ひっかけて壊す
  • 時間が足りなくなり後半、異常に早回しになる
  • Concrete5のKatzさんに「他言語サイトについて話されていたときの資料」について聞き、おすすめを教えてもらったにもかかわらず、間違えて紹介する

といった、まあ…うぇびんさんらしい失敗ばかりでしたが、こうして終了報告を書いております。

5分前にこうなって絶望した(´Д`;)

Movable Typeへの思い入れ

写真ではちょっとわかりにくいですが、今回「Movable Type」のオフィシャルTシャツを着て登壇しました。
開発元のシックスアパートさんに頂いたもので、おしゃれなので普段から普通に着ています。

スライドにもある通り、日本にブログブームを生み出し「ブログ神」とも言われた、現・シックスアパートの平田大治さんの著書が、私とCMSの原点です。このとき「1日でブログをはじめよう!」とかのキャッチーな本を買っていたら、私の現在は変わっていたのかもしれません。

WCANが開催された名古屋では、Movable Typeのパワーユーザーが少なく、コミュニティに元気がありません。
なので、敢えてMovable TypeのTシャツを着ていき、スライドでも若干推しています。

複数のCMSを選ぶという思想

今から6年前。2009年に、CSS Nite LP6「CMSリベンジ編」というセミナーイベントがありました。

CSS Nite LP, Disk 6「CMSリベンジ編」

WordPress一人勝ちとなっていた当時のWeb業界で、日本法人となったMovable Typeや、新興の国産CMSにも目を向けてみようというテーマで、a-blog cms・Jimdo・SOY CMSとも、このときに出会っています。
Movable Typeのパワーユーザー、野田さんの名言「もう、MTでいいじゃん」など、私には大きなインパクトのあるイベントでした。

それと前後して、現・言問の藤田拓さんが、札幌でエンタープライズCMSの活用セミナーを開催しました。
当時の札幌では、ひとりの制作者が複数のCMSを扱うという思想が定着しておらず、これも現在の私に影響を与えています。

景気良さそうな会場でしたw

お客様の話を聞く

今回のWCANはセミナー選択式だったため、様々なジャンルのセッションが開催されていました。
ですが、ほとんどの講師の話の根本は「クライアントの話を聞き出そう」というところに帰結しています。

私は、制作会社と組んで仕事をすることが多く、クライアントの声が届かないことがあります。規模が大きすぎて届かない、炎上なりの理由でディレクターがクライアントの声を拾いきれない、クライアントが話に応じないタイプ、など様々です。
気心の知れたディレクターさんだと、私から質問を提案することもありますが、それでも難しい場合は、私もリスキーなカスタマイズを避けるなど、消極的な方向に進まざるを得ません。

最終的にCMSを扱うのが誰なのか。
その制作会社が更新も代行するならそれで良いですが、やはりできるだけ、クライアントさんの事情なんかも教えていただきたいところです。

まとめの話:抽象化思考

後半が駆け足になってしまい、CMSと抽象化思考がどう関係あるのかという話をあまりできませんでした。

昨年秋のWCANで、ミズノさんが抽象化思考とWebディレクションについて話されています。
その中で「学びは上位にいくほど 抽象的になる。 だから応用が利く。」という言葉が出てきます。

「Webクリエイティブに活きる抽象化思考力」ミズノケイスケ@WCAN2014Autumn

これはCMSの構築についても同様で、単一のCMSを使い、スニペットやTIPSをコピペしているだけでは、「このサイトの場合は、どのように構築を進めていったら良いか」という応用力=抽象化思考が成長しません。
なので、一定のレベル以上の成果物を納品することができないのです。


制作の方は、まずは、そのスニペットがどのような動きで構成されているのか調べたり、プラグインの解説文を読みこんでみたりしてみてください。また、イベントにもどんどん参加して、パワーユーザーの生の声を聞いてください。

ディレクターの方は、完璧でなくてもいいので、狙っているCMSの人気テーマを使うなどして、ごく簡単なサイトを作ってみてください。手を動かすと、クライアント・制作に伝えるべきことが見えてくると思います。

企業のWeb担、クライアントの方は、業務外でも構いません。ぜひ、私たち制作に声をかけてください。
私はどこにも属さず、駅前のベースキャンプ名古屋にいることが多いので、割と声をかけやすいんじゃないかと思います。

すべての人に共通ですが、検索するときは「更新日」を一年以内に、ソースは最低でも3つ探してください。
WordPressに限らず、他のCMSも古い情報に当たってしまいやすくなりました。私の過去記事も一部、情報が古いです。すみません。


ではでは。今日から札幌へ、10日ばかり帰ります。
また来月から、名古屋でお会いしましょう。

この記事を書いた人

うぇびん

愛知県豊橋市に住んでいる、荒ぶるウェブおばさん。WordPressをはじめとした各種CMSを研究するのが好き。札幌のIT企業のビットスター株式会社に所属しています。