2012-8-18 20:47補足:
ファイルアップローダーはカテゴリーを作成できました><すみませんごめんなさい><
当該箇所と、後半の誤読を招きそうな箇所を補足しました。

OSC北海道のセッションで興味を持った「baser CMS」を試してみたので、インストールと基本機能までの感想をまとめます。

CMSの話を書くのは久しぶりな気がしますが…w

baser CMSとは

baser CMSは、福岡県の制作会社が中心となって開発を行っている、PHP言語の国産CMSです。「コーポレートサイトにちょうどいいCMS」をうたっています。
この記事を書いた時点でのバージョンは、2.0.4です。

PHPの開発で多用されているフレームワーク「Cake PHP」をベースにしていることが特徴です。フレームワークというのは、よく使う機能を簡単に作れるようにしたセットのことで、jQueryや関連ライブラリのようなものと捉えるといいかもしれません。

インストール

Windows+XAMPPで構築したlocalhostにインストールしましたが、特にトラブルもなくすんなり終わりました。

特殊な拡張に依存しておらず、かつシェアが大きいCake PHPがベースなだけあって、この辺りは安心できそうです。

上の画像はインストール前の初期画面ですが、管理画面のデザインがひじょうにきれいです。
コントラストがやや少ないのが気になる程度で、緑ベースのカラーリングやアイコンづかいがやさしく、CMSに慣れていない担当者の心理的障壁も下がるだろうと思います。

データベースの設定(クリックで拡大)

インストール時にひとつ気になったのが「データベースの設定」の「プレフィックス」欄の位置です。

プレフィックスというのは、インストール時に作成されるデータベーステーブルに付く接頭語のことで、他のCMSでも共通の機能です。

ですが、これがデータベース名の前についているので、
「データベースはもう作ってしまったのだけど、データベース名の前にプレフィックスを付けてないと接続できないのか?」
と、少し戸惑ってしまいました。

投稿画面

投稿画面(クリックで拡大)

投稿画面は一般的な仕様で、本文欄はCK Editorが採用されています。
フォームが大きく、余白がしっかり取られています。

ウィジウィグはTiny MCEもよく知られていますが、a-blog cmsでも採用されているCK Editorの方が、個人的にはボタンが見やすくて使いやすい印象です。

面白いのが、タイトルと概要の文字数をカウントしてくれるところです。SEOにこだわるクライアントや、長過ぎるタイトルを付けさせないようにしたいときに効果があるかもしれません。

ページ一覧(クリックで拡大)

ページ一覧画面はMovableType・WordPressと同様の構成です。
ここもまたUIデザインの良さが見られます。重要な機能は大きなアイコンとなっており、視認・操作しやすいです。

余談ですが、あの「わぷー」を描いたカネウチカズコさんがデザイナーとして参加していて、管理画面のスタッフロール(!?)に名前があります。

いいね!と思った機能

よく使う項目

管理画面内でよく使う項目を登録できます。
ショートカットの登録機能はa-blog cmsにもありますが、ダッシュボードだけでなく全画面で同じ位置に表示されること、普段は折り畳んでワンカラムにできるところが良いと思います。

逆に言うと、ブログやメニューの機能は分かりにくい場所にあるため、この機能で登録しておかないと迷うことになります。

サイト内検索のプライオリティ

作成したページ毎に、サイト内検索を行ったときの優先度を設定することができます。例えば、ページAとページBに同じ言葉があった場合、ページBが常に先に表示されるようにできるのだろうと思います。

メールフォームが高機能

グループ項目の解説(クリックで拡大)

コアに含まれているメールフォームが、かなり高機能です。

たとえば入力項目が「姓」と「名」に分かれていた場合、2項目をグループ化することで、いずれかがエラーだと両方エラー扱いにすることができます。
また、メールアドレス以外の項目も二回入力を求めるといった、比較チェックをさせられます。

実際のメール送信までは検証できていないのですが、メールフォーム単体でも使えるのではないかと思ってしまいます。

欠点・懸念点

URL表記が一般的でない

個別ページのURLの後ろには、スラッシュが付かず、ファイル名で終了します。
また、ページのどれかをディレクトリのインデックスページとした場合、たとえファイル名を「index」にしてもURLは

となり、スラッシュではアクセスすることができません。

「directory」というページカテゴリー(MovableTypeでいうフォルダ)を作り、そこにインデックスを含めれば

でもアクセスできるようになりますが、ローカルナビゲーションのインデックスページへのリンクは、先述のURLとなってしまいます。
これは、baser CMSが利用している、CakePHPの仕様のようです。

例えば導入前のサイトが静的コンテンツで、スラッシュ区切りのURLを保持しなければならない場合、WordPress以上に苦戦することになります。
採用する場合は、事前に必ずディレクター・クライアントとの擦り合わせをしてください。

.htaccessでリライト、もしくはリダイレクトするなどの対策が考えられますが、それで回避できるのかはまだちょっとわかりません。

ファイルアップロードがいまひとつ

アップロードプラグイン(クリックで拡大)

baser CMSは、ファイルアップロード機能は、別途プラグインを追加するようになっています。

アップロードされたファイルは特にエントリーと結びついてはおらず、システム全体でサムネイルとして一覧に積み重なっていきます。
なのでブログやギャラリーとして運用して、写真が数十〜数百枚となった場合、この一覧が重くなってしまうことはないだろうか、と感じました。
また、日本語名のファイルをアップするとリンク切れになってしまいました(Windowsだからかも)。

CK Editorに連動したアップローダーはSOY CMSも実装していましたが、各画像をフォルダを作って整理することができました。そのような機能を希望したいところです。

各画像の分類は、管理画面の「プラグイン管理」→「uploader(アップローダー)」の詳細設定でカテゴリーを作成すれば可能です。

コアの画像管理機能については、UIが優れているのが、ドラッグ・ドロップでアップロードでき、エントリーに対して個々のメディアライブラリが作られるWordPressで、内部機能が優れているのが、ファイル名をそのまま・ランダムを選択でき、かつアップロードサイズ・拡張子を制限できるa-blog cmsかなと思っています。

まとめ

URLの問題で実際の案件に使う際の不安はありますが、それを除いては欠点の少ないCMSと感じました。

「コーポレートサイトにちょうどいい」というキャッチの通り、数十ページくらいまでの固定ページ中心の小・中規模サイトに適していると思います。
CakePHPを採用しているため、プログラマと協業しての、コアの拡張を含む案件にも向いています。

その代わり、細かいデザインカスタマイズ※1や、大規模案件※2、仕様が厳しい案件には現状では向いていません。この辺りの特徴は、オープンソースではない反面、URL表記が正確で、大規模案件にも対応できるa-blog cmsと真逆と言えます。

これは個人的な意見ですが、将来的にプログラミングを身に付けたいWebデザイナーには、テーマ作成に挑戦してほしいです。
少し敷居が高いですが、使用している独自タグ=PHPメソッドはWordPressよりしっかり作られているので、プログラミングのスキルアップにつながると思います。

テーマコンテストもあるそうですよ。どぞどぞ。

2012-8-18 20:54補足:
※1 一般的なコーポレートサイトのマークアップ再現はほぼ可能です。ただし、エントリー数件ごとに何らかの出力を挟んだり、条件分岐を多用する場合は、PHPの基礎知識が必要になってくるのではと思います。
※2 全て同じ構成で数百ページ、等の「ページが多い案件」は対応できます。ここでいう大規模案件とは、必要な入力項目、アーカイブ構成が大きく異なるコンテンツが多数存在する「複雑な案件」を指します。

この記事を書いた人

うぇびん

愛知県豊橋市でフリーランスをしている、荒ぶるウェブおばさん。WordPressをはじめとした各種CMSを研究するのが好き。コーディング、WordPressによるサイト構築、改修、復旧などを承っています。