文美国保というものがある。
美術や執筆、創作系の組合に所属するフリーランサーが利用できる、福利厚生組合である。国民健康保険にの代替となるので、加入していると実質、組合の年会費以上に保険料が下がる。
年々健康保険料が高くなっているため、昨年、ウェブデザイナーの多くが所属しているJLIIA(日本イラストレーション協会)に入会して、文美国保にも入ろうとした…
が、JLIIAの入会条件でいきなり詰む。
「デザイン業が主たる事業内容であることを具体的に証明する書類」とは、確定申告書B票の「業種」のことである。ここに「デザイン」と書いていないとデザインを生業としていることは認められない。
私は国税庁の自動入力に従って「ソフトウェア・IT・WEB関連業」として提出していたのでNG。
ちなみに、今年の確定申告の際に税務署の方に聞いてみたところ、「個人事業主の業種については、税務署はあまりチェックしていないので、細かい業態の変更ならチェックしない、開業届の変更も必要ない」そうだ。
文美国保に入れる業種・入れない業種
美術をやっていないと文美国保に入れないとは限らない。調べてみると、美術系以外の比較的新しい業種でも、こんな業種であれば文美国保加盟団体があるらしい。
YouTuber・ボカロP→日本ネットクリエイター協会
ブロガー→日本デジタルライターズ協会
デザインプロデューサー(本人は制作をしない)→ジャパンデザインプロデューサーズユニオン
つまり現状、IT関係の個人事業主は、エンジニア・プログラマのみが国民健康保険しか入れない状況となっているのだ。
プログラマは40歳を超えると会社に所属したり、法人化することが多くなるが、ようやく合点がいった。40歳を超えると国民健康保険は「介護保険料」が加わって高くなるのである。
入る条件を満たしたが
さて、昨年の時点で私は、CMSテーマの販売を始めていた。
CMSテーマというのは表向きは技術的なプロダクトではあるが、使用する素材や全体の外観は全て自分で制作するので、ほぼデザインの領域である。
私の仕事の形態であればデザイン業と称してしまっても問題はないし、たまにイラストも書いているし、数年前までは「Webデザイン業」として提出していた。
というわけで、今年の申告から業種をデザインに戻した。
これで文美国保に入れるようになったのだが、結局、JILLAには入会していないし、国民健康保険料を払っている。
確かに私はデザインやイラストもやっているのだが、その業種を盛り上げようとか貢献しようという意識はまるでないのである。
今後会報が来てもちゃんと読まないだろうし、何かのイベントや会合にも行かないだろう。単に福利厚生のためだけに入会しようとするとか、JILLAの皆さんにたいへん失礼である。もしもCMSの組合があったとして、そういう連中が来たら私はFacebook内で吠えていることだろう。
最近、ちょっと意識が変わっている。
細々と稼いで節約するより、今と同じ負担でたくさんお金をもらえるようになりたい。そしてそのお金を自分の生活の向上のために使いたい。
少なくとも国への年貢だけでひいひい言っている状況は嫌なのである。