a-blog cmsは、初期インストールが最大の難関となっています。ドキュメントが充実してきましたが、説明を見ただけで挫折する人も多いようです。
そんな中、開発元のアップルップル山本さんが「サーバー設定も含めた、すべてのインストールを自動化するプログラム」のリリースをはじめました。

Mac に a-blog cms を誰でもインストールできるようにするプログラムを書いてみた | kazumich.log

現在、以下のサーバー環境に対応したパッケージを配布しています。

  • MAMP
  • Windows XAMPP
  • CPIレンタルサーバー ACE01
  • さくらのレンタルサーバー
  • ロリポップ & ヘテムル
  • Zenlogic
  • XSERVER
  • 2.5.x -> 2.6 へのアップデート

自動インストールプログラムの特徴

a-blog cmsのインストールは「ionCubeローダーの導入」「PHPバージョンに合ったa-blog cmsのパッケージ選び」が難しいです。

自動インストールプログラムは、起動するとサーバーのPHPバージョンを調べ、適したionCubeローダーとa-blog cmsの最新版をダウンロードし、かつ、.htaccessやphp.ini(PHPの設定ファイル)の編集まで行ってくれます。

さらに、PHPプログラムにデータベース情報を書いておくと、その後のインストールウィザードにデータベース情報が自動で入力されています。

a-blog cmsは「データベースが存在しない場合は自動で作成する」機能があるため、データベース作成の権限がある環境なら、データベース管理画面にログインする必要すらありません。

MAMP版を実際に試してみましたが、1分弱でa-blog cmsの環境を作ってくれました。自分がいつもやっていることがfinder内で勝手に進行する様子を見るのは、実に気分がいいです。

導入の際の注意点

バックアップを取る

自動化プログラムなので、いくつか注意点があります。
必ず、サーバー全体のバックアップを取ってからはじめてください。

このプログラムは「現時点の一般的な環境である」ことを前提としています。php.ini・.htaccessなどの設定をいじっている既存サイトだと、不具合が起こる可能性があります。
サブドメインを作るなどして、できるだけまっさらな環境に利用した方がいいと思います。

PHPバージョン

現在のa-blog cmsの最低動作環境は5.3ですが、このプログラムはサーバー、もしくはローカル環境のバージョンが5.3以下だった場合を想定していません。

バージョンが低かった場合は、画面が真っ白になったまま固まってしまうので、事前に必ずPHPのバージョン変更を行ってください。

なお、PHP7だった場合は想定していて、エラー文が返ります。

ネットワーク環境

a-blog cmsやionCubeのダウンロードに時間がかかりすぎると「Unzip Error!」と表示され失敗します。高速回線を利用できる環境で作業してください。

MAMP・XAMPPをサブドメインで展開している場合

かなりlocalhostを使いこなしている人だと、だいたい「httpd-vhosts.conf」をカスタマイズして、案件ごとにサブドメインを展開したり、Dropbox内にルートを移動したりしています。
このプログラムは、そのような環境でも問題なく設置できます(localhost無償ライセンスも対応します)。

ただし、ionCubeローダーはMAMPではなく、サブドメインのルートディレクトリに設置されるので、案件終了後にそのディレクトリを削除すると、MAMP内のphp.iniに書かれたionCubeローダーがリンク切れになってしまいます。

そこまでカスタマイズしている人なら、インストール後にphp.iniを修正し、ionCubeローダーもMAMP内にお引越しをさせておいた方が無難と思います。

既にionCubeローダーを導入している場合

かなりマニアックなケースになるので、a-blog cmsヘビーユーザー以外は無視してください。

「もうionCubeローダーは設置済みなのだけど、このインストーラーを試してみたい」という場合は、必ずいったん、自分が設置したionCubeローダーを撤去し、php.iniの設定も削除してください。

このプログラムは、すでに既にionCubeローダーを導入している場合は想定していないため、予想外の不具合が起こる可能性があります。

a-blog cmsの敷居がかなり下がってきた

バージョン2.0になってから、a-blog cmsもだいぶ導入しやすいCMSになってきました。

最初のインストールさえうまくいけば、テーマのカスタマイズはかなり扱いやすいです。日本語ドキュメントがあるCMSでは最強と言い切れるので、一度試してみてください。

この記事を書いた人

うぇびん

愛知県豊橋市に住んでいる、荒ぶるウェブおばさん。WordPressをはじめとした各種CMSを研究するのが好き。札幌のIT企業のビットスター株式会社に所属しています。