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「やよいの青色申告オンライン」が、freee難民を救済してくれそうな勢い

やよいの青色申告オンライン公式サイト(2015年2月時点)

昨日、税務所に確定申告書を提出してきました。
1月のスケジュールに余裕があったのもありますが、本年度無料につられて使いはじめた「やよいの青色申告オンライン」が使いやすく、仕訳が多い年だったにも関わらず、開業以来、最速で申告できました。

クラウドの会計ソフトと言えば「freee」があります。私も二ヶ月ほど試して、良いサービスだとは思ったのですが、どうにも合いませんでした。
合わなかった理由を考えつつ、やよいの青色申告オンライン(以下、「やよいOL」)の良かった・悪かったところなど紹介します。

UI: 敢えて逆行するデザイン

利用する科目を細かく選択できます

freeeのユーザーインターフェースは、多くのWebサービスで採用されているCSSフレームワーク「bootstrap」がベースとなっています。すっかりおなじみとなった、すっきりとした外観です。

一方、やよいOLに入ると「懐かしい重厚感」に襲われます。
都会で働いていて、久しぶりに片田舎の実家に帰って、馴染みの純喫茶に入ったような感覚です(誉めてます)。

画面内の文字は、すべてボールド。表のセルにカーソルを置くと、これでもかっというくらいに、モコっと浮き上がります。

「やよいOL」は、複式簿記の仕訳入力にも対応しています。借方・貸方の金額が合っていない状態で保存しようとすると、この通り。真っ赤です。

使ってみると、この重厚さがかえって心地良いのです。

会計帳簿は「水道光熱費」「専従者給与」「接待交際費」といった、画数が多い文字の固まりです。ウェイトやコントラストをすっきりさせると、通常の文章よりも判別しにくくなるのです。
海外発で、画数の少ないアルファベットを前提に作られている、bootstrapではなおさらです。

単に、40間近の私の目が、ショボショボしてるだけかもしれませんが…

自動取込・連続入力: freeeとは一長一短

現時点の「やよいOL」は、自動取込があまり得意ではありません。
直接取り込みができるfreeeとは異なり、銀行取引は「Zaim」、売上は「Misoca」などの外部サービスを経由する必要があります。Zaimは、ほとんどのオンラインバンキングに対応しているのですが、ジャパンネット銀行の「ログインID方式」を使っていると取り込めません。

自動取り込みを使うために、ログインID方式をやめようかと考えはじめています。ホンマツテントウムシです。

そのかわり、家賃やサーバー代など、日付以外がまったく同じ内容の仕訳を連続して入力するのが、ひじょうに楽です。
「よく使う取引(freeeだと仕訳テンプレート)」の登録機能とは別に、「同じ取引を続けて登録」というチェックボックスがあり、これを使うと12ヶ月分くらいは一気にザクザクと入力できます。

ガソリン代は常に同じ金額で給油しておくと、Zaimのレシート取り込みより早く処理できますね。

画面下に「同じ取引を続けて登録」のチェックボックスがある

絞り込み: 残高の確認でハマる

「やよいOL」には「かんたん取引」画面と「仕訳の入力」画面があり、それぞれの画面下半分で、科目名や計上日を指定しての絞り込みができます。

仕訳入力をしていて、現時点の各資産の残高がどうなっているか気になることはあるのですが、画面下半分の絞り込みでは、残高を見ることができません。
残高は「かんたん取引」画面の上に出ている、「取引手段の絞り込み」バーから呼び出さないと、確認できないようです。

家事按分: 大事なことは先に言え

freeeは、環境設定に「家事按分」の設定があります。各経費について、何割を「事業主貸」とするかを指定できます。

「やよいOL」にも当然あるだろうと思ったのですが、見当たりません。
仕方なく、按分が必要なすべての経費を「仕訳の入力」画面から手作業で入力したところ、最後の「確定申告」画面の途中で按分設定が出てきました(°言° )

大事なことは、入力画面などで早めにアラートしてほしいです…

決算: 安心と安定の弥生先生

ステップアイコンの◯をめっちゃクリックしたくなる

「確定申告」の画面は、ウィザード形式でひじょうにわかりやすいです。さすがは青色申告ソフトを長年開発してきた弥生先生です。特に、画面上のステップアイコンがお気に入りです。

帳票は提出する6枚の書類をプレビューしながら作成でき(2015年2月時点では、freeeは三・四表が作れません)、ステップ5まで進んだところで思い直して2に戻る…ということもできます。

ただし、総勘定元帳は、決算が完全に終了しないと見られません。また、固定資産税、家事按分の自動仕訳は修正できません。

まとめ: 弥生が合う人、freeeが合う人

私は経理の専門学校を出ているので、簿記の2級程度の知識があります。IT業界に入る前は、経理の仕事をしたこともあります(もちろん20年前なので手書きです)。

そうやって、頭に借方貸方が染み付いていると、その概念がない新しい会計ソフトは、かえって使いにくいです。すでにサービスを終了しているZiitaxや、freeeでは見える情報が少なく、不自由を感じることもありました。
これまできっちりと会計をしてきた人、とくに弥生シリーズを使っていた人には、いきなり乗り換えても大丈夫そうです。

自動取り込みですが、私の場合、事業用と私用の口座を分け、事業用では売掛金の回収と生活費の引き落とししかしていませんから、手入力でもあまり手数は変わりません。来年度からはMisoca連携を試してみますが。

振込の取引が多い、オンラインショップを運営している人はfreeeが向いていますし、
現金の細々とした取引が多い、料理教室の先生やクラフト作家はZaimのレシート取り込みが使えるやよいOLが向いていると思います。

連続入力のUIは、今のところやよいに軍配が上がります。

毎日チクチク経理作業をするのが好きな人はfreee、
たまったレシートを効率よく整理して、ガバァと入力したい人はやよいOLがいいでしょう。


「やよいの青色申告オンライン」と「freee」、どちらが良い・悪いということはありません。もうこれは、単純に相性です。経理の知識はあるけどfreeeが合うという人もいます。

私個人は、日本の複雑な会計処理を支えてきた弥生シリーズが、Macユーザーにも門戸を開いてくれたことを、全力で歓迎したいと思います。