a-blog cmsユーザーの、恒例の合宿「a-blog cms Training Camp 2014 Autumn」に参加してきました。
合宿は、名古屋駅前の「ベースキャンプ名古屋」と、南の知多半島の先にある「師崎荘」で交互に開催されています。
師崎荘へ行くのは三年ぶりで、愛知県民になった今回は、自分の車で知多半島をドライブしました。
開発元のデザイナー・エンジニア、案件でバリバリ使いこなしている人、使っているけれどバージョン2系にしてないという人、まだまだこれからという人が、積極的に質問や意見を出し合って、活発なイベントになりました。
また、これまで常連だった人がディレクターとなり、同じ会社の「お弟子さん」が参加するケースも出てきて、a-blog cmsリリースから五年という年月の流れを、しみじみ感じるなどしました。
うぇびんさんの発表
私は、合宿にあたって
「これから必要となるCMSと、CMSテーマとはなんだろう」
というテーマを持ってきていて、ユーザーセッションで、そのことについて話しました。
現行のCMSテーマの限界
CMSを利用した案件に、大小いろいろと携わっていますが、ここ一年くらいで、以下のような案件が急に増えました。
- サイトマップやデザインが確定する前に、個々のコンテンツを作り、仮組みのテーマでページ遷移を検討する
- 納品後、短いスパンで導線やレイアウトの見直しを求められる
- 複数のフォームで個々にコンバージョンを取りたいと相談される
これまでのように、レイアウトをテンプレートとカスタムフィールドで縛る「コンテン『ト』マネジメントシステム」の考えで、テーマを案件ごとにいちから制作していると、制作側の手戻りが増え、工数も間延びしてしまいます。
なので、管理画面から各コンテンツの制御、導線にも干渉できるような「コンテン『ツ』マネジメントシステム」のテーマが必要だし、案件向けに作りたいと思っているのです。
海外のCMSトレンドから学ぶ
海外CMSに詳しい、コトトイ・ファクトリーの藤田さんも参加されていたので、参考になる話をたくさん伺ってきました。
日本語化されていない、海外のエンタープライズ(大規模事業向け)CMSでは、この考え方が導入されているものも増えているそうです。ドラッグ・ドロップでサイト全体のレイアウトを変更できたり、多言語管理、制作と完全に独立した素材管理、高度なアクセス解析なども、当たり前のように組み込まれています。
日本でトレンドに近いのは?
ユニット型の設計となっていて、日本で気軽に使えるCMSには、a-blog cms・Jimdo・concrete5があります。
Jimdoの「ブログ記事表示パーツ」は、簡素ながら、記事の一覧を表示する場所をドラッグ・ドロップで決められ、表示のしかたも指定できます。
concrete5は、最新バージョンでUIが向上したようで、また未確認ですが気になっています。
a-blog cmsも直感的なUIを持っていますが、使えるのはあくまで内容が固定された個別ページであり、動的な一覧ページを作成する機能はありません。
ところが、最新のバージョン2.1系から
「ドラッグ・ドロップできるユニットに、カスタムフィールドを埋め込める」「校正オプションの[buildTpl]を追加すると、記事中にテンプレートタグを書ける」
という機能が加わったため、やや状況が変わりました。
動的かつドラッグ・ドロップで配置を移動できるページを作ることが不可能ではなくなり、海外トレンドに近い機能を、手軽に実装できるCMSとなったのです。
昨年のa-blog cmsのアドベント・カレンダーで「カスタムフィールドを使って、管理画面からレイアウトを制御する」というカスタマイズの記事を書きました。
実は、9月にリニューアルした、このサイトのテーマはそれのプロトタイプとなっていて、カテゴリーページの表示を管理画面から変えることができます。
「固定ページ」「ブログ」「サムネイル+タイトル」「日付+タイトル」「タイトルのみ」が選べるのですが、使ってません(笑)。
カスタムフィールドでレイアウトを制御するのは、MovableTypeやWordPressでも可能ですが、a-blog cmsの場合、新機能をうまく組み合わせることで、より柔軟で使い回しやすい「次世代のテーマ」が作れそうです。
というわけで、師崎の朝焼けは今年もきれいでした。
今回はほとんどa-blog cmsにさわっていませんが、いろいろな人と今のCMS構築について話して、役に立つ情報をたくさん集めることができました。
ベースキャンプ名古屋の方が、アクセスが便利で参加費が安いのでいろんな人に会えるのですが、おいしいごはんとお酒を飲みつつ、ぶっちゃけたCMSの話ができる師崎も良いものです。
また合宿でお会いしましょう。