来年の確定申告で楽をするために知っておきたいコツ

電卓は使わないです


本年度分の確定申告も、今日、3月15日で締切となります。

開業してから11回、確定申告を経験してきました。経理の実務経験があるため、確定申告は毎年自分でやっています。
年によっては最終日の午後になったり、間に合わずに税理士さんに依頼したこともありますが、ここ数年は会計ソフトがとても使いやすくなっただけでなく「確定申告を楽にするためのコツ」のようなものを会得しており、あまり焦らなくなりました。

フリーランスになったばかりの人や、何年やっても苦痛だと思っている人のために、そのコツをご紹介します。
なお、あくまで個人事業主向けの知見です。法人には、かなり雑なものであることをお断りしておきます。

毎月経費を記帳しなくていい

世の中には、自己管理能力がひじょうに高い人たちがいます。そういう人たちは決まって「経費は毎月記帳している」「毎月やっておけばあとで慌てないですむのに」と言ってきます。
これは正論ですが間違いです。

順調に進むのは、自己管理能力がひじょうに高い人たちが、確実に記帳しているからです。むしろ、スキルが低い人が中途半端に帳簿をつけてしまうと、何ヶ月も経ってから金額のズレが出て、原因がどこかを探すのに手間取ってしまうことになります。
毎月お金の流れを確実に把握していないと震えるとかではないなら、年が明けてから一年分の取引を経費科目ごとに一気に入力してしまった方が早いですし、間違いを発見しやすいです。

同期・自動取り込みが使える銀行にする

私自身の経験では、やよいの青色申告オンラインが「スマート取引取込」に対応した二年前から、確定申告にかかる日数が大幅に減りました。freeeでは「同期」と呼ばれている機能です。

事業用の口座は当然持っていると思いますが、自動取り込みに対応している銀行に変更することを強くお勧めしたいです。そのくらい楽になります。手数料の関係で取引先に難色を示されるから…などの事情がある場合は、入金専用口座にして、細かい出金を別の銀行にする手もあります。

経費はスプレッドシートで作ってインポートする

freeeとやよいの青色申告オンラインは、弥生会計形式のCSVインポートに対応しています。それ以外のサービスは確認していません。すみません。

その他の会計ソフトから仕訳データを移行する(弥生会計形式を用いた方法) – freee ヘルプセンター

[弥生データのインポート]メニュー

消耗品費、水道光熱費、接待交際費などの現金の経費は件数が多く、会計ソフトに一件ずつ入力していくとかなりの手数がかかりますが、Excelなどのスプレッドシートで一気に金額と日付を打ち込んでいき、弥生会計形式に整えてインポートすると、大量の仕訳をスムーズに取り込むことができます。
片手入力ができる、消費税の計算に関数を使用できる、同じ金額の仕訳をコピーで増殖できるなど、スプレッドシートの機能を活かしたいところです。

私が実際に毎年使っているひな形を置いておきます。もちろんGoogleスプレッドシートも使用できますが、文字コードをShift_JISに変換してからインポートしてください。

やよいの青色申告オンライン対応CSVインポートひな形

レシートの写真を撮ると…

ここまで読むと気付くかと思いますが、freeeのアプリなどが搭載している「レシートの写真を撮ると仕訳が記録できる!」という機能は、年度末にまとめて仕訳するフローの場合は、全然便利にも早くもなりません。
あれは冒頭で触れた、まめに帳簿をつけられる「自己管理能力がひじょうに高い人たち」のためのものです。間違っても一般の人は手を出さないようにしましょう。

交通系ICカードは同じ金額をチャージする

フリーランスの経理取引で一番面倒なものが、旅費交通費です。ほとんどの人は、Suicaなどの交通系ICカードを持っていると思います。
これにチャージするときに、毎回同額でチャージするようにします。金額を揃えておくと仕訳が異常に楽になります。クレジットカードでの自動チャージにすることが考えられますが、クレジットカード払いは仕訳が複雑になったり、支払いが年またぎになったりするので、会計ソフトに自動で取り込めないカードの場合は現金で統一したほうが良いでしょう。

簡便法を活用する

先述のSuicaですが、チャージの際は一旦「貯蔵品」や「仮払金」として仕訳し、実際の交通費を都度「旅費交通費」として引いていくのが正しいと言われます。

貯蔵品3000現金3000
旅費交通費500貯蔵品500

ですが、一ヶ月分、一年分の交通費を残額から逆算してまとめて計上してしまう「簡便法」を使用することも認められています。

Suica,PASMO,ICOCAなど交通ICカードの仕訳・会計処理

旅費交通費45500貯蔵品45500

↑↑一年分のチャージからICカード残額を引いた金額

この計算方法は、現金や普通預金の残額から12月31日付で年間の生活費にあてた分(事業主貸)を計上するのにも使えます。ひとつひとつ交通費を入力していくととんでもない手数がかかりますし、間違いが多くなります。簡便法が使えそうな仕訳は積極的に採用しましょう。

取引先ごとに補助科目を作る

交通費の次に面倒なのが、売掛金です。取引先によって源泉が含まれたり入金から手数料が引かれていたりするので、売掛が回収されているかの把握に手数がかかります(本当は引いてほしくないのですが、自社以外への振込に750円もぼったくる○洋銀行がうんこなので仕方ないですね)。

取引先ごとに補助科目を作るのが確実です。仕訳を取引先でソートすることで回収状況を確認できます。一度きりのお取引先はいちいち作っていられないので「その他」に入れます。
どうしても金額が合わない場合は、「売掛帳」を見るのも良いと思います。

売上を整理する

オンラインショップの売上や、ランサーズなどのクラウドワークによる少額収入が多いと、会計処理が複雑になりがちです。
オンラインショップの場合は商品の金額を揃えることである程度回避できますが、クラウドワークの場合はそうもいきません。

これは私の実際の経験からの話になりますが、少額かつ一度きりの取引が大量にある業態より、高額かつ安定した取引が定期的に望める業態に変えるよう努めた方が、経理的にも精神的にも良いです。
怪しい取引先が多いと、売掛金の回収不能=貸し倒れのリスクが高まります。金銭的に損をするばかりか、「貸倒引当金」という経理の知識がない人には最難関の仕訳をすることになります。

まとめ

私が確定申告の負荷軽減のためにやっていることは、このようなところです。自動取り込みとCSVインポートは強くお勧めします。これらの機能のために毎年10,000円ちょっとの会費を払っていると言ってもいいくらいです。

freeeかやよいか、というのは完全に好みの問題です。ただ相性はあるようで、私はfreeeのUIは合いませんでした。なので両方試してみるのがいいだろうと思います。

来年からはe-Taxで申告すると所得の控除額が10万円増えます。そうなると導入したくもなりますがが、場合によってはせっかく楽になった分が無駄になりそうです…

e-Taxで確定申告するのに4日かかった件|Takehito Tanabe|note


投稿者名 うぇびん 投稿日時 2019年03月15日 | Permalink