昨年末に札幌の中心部にオープンしたコワーキングスペース「SPACE KANTE(スペースカンテ)」の見学に行ってきました。
最近の札幌は、数件の個性的なコワーキングスペース・シェアオフィスが、それぞれ安定したファンを獲得している状態です。ここ、カンテもいろいろと楽しい施設だったので、特徴を詳しくご紹介します。
カジュアル型のコワーキング
予約した時間にカンテへ行くと、まずラウンジの一角にあるソファスペースでアンケートを書くよう頼まれました。
ここには、ふわっふわの大きなソファが6脚も並んでいます。外からは春の日差しがぽかぽかと入ってきます。
いきなり睡魔に襲われそうになりますがぐっと堪えます。
アンケートを書くと、担当のSさんがカンテのコンセプトと特徴、料金体系などについて、丁寧に説明してくださいました。
カンテは、日本語学校、留学センター、書店、カフェなど、8つのサービスを提供している複合施設「THE WORLD LOUNGE Co&Co」の中のひとつです。
一般のコワーキングスペースが登記・荷物預かりなどの機能を持つ、しっかり目のところが多いですが、カンテはオフィスとカフェの中間、気軽に使える、カジュアルな立ち位置となっているそうです。
本屋とカフェが併設されているところが、カンテの最大の魅力になってくるのですが、これはまた後で触れます。
めっちゃ広い
施設は2階・5階・6階に分かれていて、2階がメインスペースです。ビルのフロアを半分近く確保した、とても広々とした空間です。内装もおしゃれです。
中央の大テーブル席と、電源付きの窓際席は各10席ほど。二人テーブル席には布のパーテーションがかけられていて、プライバシーが確保されています。奥にはソファ席もあります。
先ほどのSさんの話の通り、ここは語学レッスンや留学サポートの場としても機能しています。なので話し声が常にありますが、子どもがいない時の郊外のスタバくらいなので、ノマドスタイルに慣れている人は特に気にならないと思います。
音厳禁の個別ブース
Sさんに、4階の個別ブースを案内してもらいました。会員であれば一日500円でこちらも利用できます。
ここでは、ノートパソコンも含め、音を発生させるものは一切使用できません。毎日変更されるパスワードでしか入れないため、外部の人が迷い込むこともありません。読書、勉強、タブレットでの作業にはもってこいの場所です。
ブースのひとつに座らせてもらいました。デジカメが補正してしまったので、実際にはこの写真よりももっと暗いです。ここは本格的なオフィスチェアが使われています。手元には蛍光灯があります。
他の有料設備としては、個人ロッカーがあるのも特徴的です。仕事をしてからジムなどに寄る習慣がある人は、ここにウェアや靴を預けるのもいいかもしれません。
もしかするとモニタやキーボードを入れておくこともできるのでは…と思ったのですが、一般のコワーキングスペースのように、モニタを使って良いかは微妙です。気になる人は別途聞いてみてください。
本が読める
2階の北側は、壁一面に旅やビジネス、ファッションに関する本がびっしり並んでいます。ここは書店でもあるので、れっきとした商品です。
カンテの会員になっていると、雑誌以外の本をカフェスペース内で自由に読むことができます。新型ツタヤのような感じで、気になっていた人気書を読んでみることもできるのです。
コーヒーが飲める
見学が終わるとSさんが言いました。「ここは14:00から、本格的なカフェもオープンするんです。一杯いかがですか?『ふわもち邸』はご存知ですか?あっという間に売り切れる人気ドーナツもここで扱っているんですよ!」
「お、おぅ…(ジュルリ)ではチョコレートオランジュラテを…」
と注文すると、なんとSさんがカウンターに入ってラテを作りはじめます。
Sさんはバリスタでもあったのです。バリスタがいるコワーキングとか聞いたことがないです。
酒が飲める
さらに、ここではコワーキングスペースでありながらお酒を扱っています。4月からは「BAR TIME」という新プランがはじまっていて、平日の18:00以降はカフェでワンオーダーするだけで、22:00までドロップインできるそうです。
つまり、酒を飲み、ピザをつまみながら、仕事やもくもく会ができるのです!
すばらしい。道民の発想です。
確実にダメ人間になるので控えておきたいところですが、暇な夜はいいかもしれません…
まとめ:札幌の空白ニーズを埋める施設
その後は二時間、明るい窓際でチョコレートオランジュラテをすすりながら軽い作業をしました。
大きな通りに面しているので、窓からは太陽の光がたくさん入ってきます。デスクの高さもちょうどよく、快適に作業ができます。
私にはカンテの雰囲気は合っているようです。札幌での新しい居場所を見つけたかも。
私自身はとても気に入ってこの記事を書いていますが、ここまでご紹介した通り、一般的なコワーキングスペースとは異なる業態となっています。
人によっては相性が良くない可能性もあるので、とにかく実際に見学してみることをお勧めします。
札幌では、WiFiが利用できるカフェスペースが豊富で、コワーキングスペースもずいぶん増えていましたが、数日に一度、長時間利用したい中間のニーズは埋められていませんでした。
札幌のコワーキングスペースに新しい選択肢が増えたことで、札幌のウェブ業界もまた風向きが少し変わるといいなと期待しています。