昨日、豊田の郊外でオーガニックパンをもぐもぐしていたら、Amazon Web Servicesから「Your AWS Free Tier Period is Expiring」というメールが来ました。
内容を要約するとこんな感じです。
あなたが契約された、AWSの「EC2マイクロインスタンス」の無料使用期間が、2月28日で終了します。来月以降は62ドルの年間一括払いか、月額3.66ドルの自動払いとなります。
そういえば、一年前にMovable Type for AWSをお試しで設置してみて、実際に稼働する予定がなかったので、すっかり忘れていたのでした。
終了手続きはけっこう簡単にできるので、手順を説明します。
AWSの無料期間について
手順の前に、AWSの無料期間について、改めておさらいします。
MovableType、WordPress、concrete5などのコミュニティでは、勉強会・セミナー等で「Amazon EC2のMicro Instanceで、無料でCMSをはじめよう!」という紹介をしています。
CMSを稼働するために必須の「Amazon EC2」では、最も安い「Micro Instance」を選択した場合に限り、割引期間が適用となり、一年間無償となります。
これは、Amazon Web Services統一の料金体系ですが、MovableTypeの場合は、本体が無償ではないので、ライセンス料94,500円をシックスアパート社側がサービスしています。
私は単純に忘れていただけですが、どのCMSコミュニティも、永年無料とミスリードしそうな表現をしているので、きちんと明示してもらいたいところです。
サービスを終了する手順
Amazon Web Servicesのポータルサイトにアクセスします。
契約したときからデザインが変わっている気がしますが、中身は一年前と一緒なので安心してください。
右上の「コンソールへサインイン」ボタンをクリックしてログインし、サービス一覧の先頭にある「EC2」を選択します。
相変わらず全部英語ですが、今回特にチェックすべきは以下の三つです。
2と3は、勉強会で説明されている以外のことをしていないのであれば、気にしなくても大丈夫です。あとで補足します。
- Running Instances
- Elastic IPs
- Snapshots
Running Instancesは「申し込んで稼働しているインスタンス(仮装サーバー領域)の数」で、数字が1以上になっていると、課金対象の可能性があるということです。課金対象となります。
文字をクリックして、インスタンスの設定画面へ移動します。
インスタンスの設定画面の「Instance State」を確認してください。「running」になっていれば、サービスが稼働しています。
課金されないようにするには、二通りの選択があります。
インスタンスの終了には二通りの選択がありますが、課金されないようにする場合は、完全に削除する必要があります。
一時停止する
もしかしたら復活するかも…とか、削除していいか判断がつかない…という場合は、一時停止していれば、その間は課金されません。一時停止ができます。ただしこの場合、サーバーにファイルの実体は残っているので、EBS(オンラインストレージ)の利用料がわずかに課金されます。
行を右クリックすると出る黒いポップアップから「Instance State」→「stop」を選択します。Instance Stateが「stopped」に変わり、同じ操作で「start」を選ぶまでこのサーバー領域は利用できなくなります。
完全に削除する
今後も利用する予定がない場合は、完全に削除します。
行を右クリックすると出る黒いポップアップから「Instance State」→「terminate」を選択します。最終確認が出たらOKしてください。Instance Stateが「terminated」に変わり、しばらく時間を置くと削除されます。
なお、完全に削除した場合は、ファイル転送に必要な認証鍵(Key Pairs)も不要となります。残しておいても課金されませんが、併せて削除しておいた方がよいでしょう。あなたの端末内にも秘密鍵ファイルがあるので、こちらも忘れずに。
追記:見落としがちな罠
IPアドレスの固定を解除する
先ほどのコンソール内のElastic IPsは、「IPアドレスの固定を申請している数」です。
EC2で独自ドメインを利用する場合などは、インスタンスのIPアドレスを固定しなければなりません。
固定サービスは基本的に無料なのですが、インスタンスを休止しているにも関わらず、IPアドレスを固定したままにしていると料金が発生します。調べてみたら、これでハマっている人はサービス開始時からけっこういるようです。
- AmazonEC2無料枠 見落としがちなルール – へっぽこSEブログ
- take some notes 【システム開発メモ Flex AWS DB WEB Android etc】 AWS ElasticIP 料金 ご注意
スナップショットを削除する
先ほどのコントロールパネルのSnapshotsは「スナップショット(バックアップ)を取っている数」です。
バックアップを取っているということは別途、EBSを利用しているというですから、インスタンスを完全に削除しても、スナップショットが残っていると料金が発生します。
S3連携を解除、バケットを削除する
MovableTypeのコミュニティでは「EC2のMicro InstanceでHTMLファイルを生成し、S3の静的サイトに転送して、クラウド運用コストを最小限に!」というテクニックも紹介されています。
この場合は、Amazon S3も課金対象となり、バケットの削除が必要になるのでご注意ください(S3は月10円程度ですが)。
手順は以上です。削除は簡単ですが、一年も空いてしまうと、英語の意味がわからなくなって慌てますね。
無料期間が終了したら、支払情報のページ(Billing)は必ず確認してください。
余談ですが、私のインスタンスは、すでに「stopped」になっていました。一年前の私が、一年後の私はどうせ忘れているだろう…と対応していたようです。
去年のうぇびんたんマジ孔明。