7月7日に、二年ぶりに上京して「Facebook Power Session 2012」に参加してきました。
昨日発売となった「Facebookデザイン プロフェッショナルガイド」「Facebookマーケティング プロフェッショナルガイド」の出版記念イベントです。
昨年のFacebook本以来、仲良くしてもらっている著者の皆さんと、やっとお会いすることができました。
イベント前には、マイナビの目の前にある江戸城跡をお散歩して、蒲生さんや飯田さんにすてきな写真をたくさん撮っていただきました。
講演内容は書籍のダイジェストと、本で書ききれなかったことの補足などが中心です。
登壇者が多くて全部書くのは無理なので、特に興味を持ったところを抜粋してご紹介します。
Facebookの普及による状況の変化
昨年、「Facebookページプロフェッショナルガイド」を出した時点では、Facebookはまだまだ新しいことに挑戦したい企業が主導する、マイノリティに過ぎませんでした。
それが徐々に一般の生活者にも浸透したことで、新しい問題が出てきています。
はちえん。の坂田誠さんは
「FacebookページでFacebook連動キャンペーンの告知があったので最寄りの店舗に行ってみたら『当店はIT化が進んでいないのでわかりません』と断られた」
という実話を挙げ、また、フェイバーの岡村信一さんは
「Facebookに興味を持った社長から『ITに強い○○くんにFacebookページを担当させよう』と鶴の一声で、コミュニケーションが苦手な○○くんは悲劇のヒーローに…」
という話で、社内の理解度の差による失敗例を紹介していました。
水平さんがカメラを買うまで
蒲生トシヒロさんは、実際にソーシャルメディア連携を手掛けたウェブサイトの実績を例に、Web制作者側からできる改善策を挙げました。
また、写真関連の著者、水平知さんがSONYの新しいカメラを購入するまでの一連の行動を紹介しました。
- SONY JapanのFacebookページから新製品の情報がニュースフィードに流れる
- 商品に興味を持ち、価格・商品情報を検索する
- SONYの公式Webサイトで充分な情報を得る
- 情報に満足し、信頼しているカメラ店でカメラを購入する
ここで重要になってくるのが
「商品情報が水平さんのニュースフィードに出て目に留まっても、その後の検索や公式サイトで充分な情報を得られなければ、購入を決断しなかった」
という点です。
つまり、Facebookだけ頑張っても、実際の収益にはつながらないのです。
また、
「信頼している店舗が、別の店もしくはオンラインショップだった場合、最終的な購入場所が変わっていたはず」
というのも興味深いところでした。
スマートフォンで「いいね!」してる?
デザイン編のスマートフォンの章を担当した秋葉ちひろさんは、参加者にひとつ質問をしました。
「スマートフォンでいいね!ボタン押してますか?…私は押しません」
このブログを見に来る方はわかると思いますが、いくつかの障害があるためです。
- いいね!ボタンは表示が遅すぎる
- クリック範囲が小さすぎてタップしづらい
- Facebookアプリでなく、他のブラウザ経由だった場合、ログインを求められる
残念ながら、ログインの問題は回避ができませんが、いいね!ボタンのデザインは制作者側が変更することが可能です。
スマートフォン用にボタン画像を用意してタップできる範囲を広げたり、外部パーツを呼び出さないようにしてリクエストを早めたり、といった工夫を挙げて、
「せめていいね!するところまでを気持ちよくしませんか?」と話していました。
スマートフォン人口はどんどん増えています。作る側もちゃんと対策しなければいけませんね。
当たり前のことを明文化する
昨年からの著者でもある、小野寺翼さんが所属する株式会社メンバーズには、「Facebook Pages運用10箇条」というものがあるそうです。
- 自分こそが最強のファンであると心得る
- 人を前面に出す
- 旬(タイミング)を見逃さない
- 時に手作り感を大切にする
- ファンに聴いてみる
- 自社の歴史を伝える
- おトク・プレゼントは明確な有益情報
- 写真や動画を活用する
- 自社サイトやブログと連動をする
- Do the right Thing(正しいことをすべし)
小野寺さんはこれを紹介しつつ
「特に目新しい話はないかもしれません」と言いました。
確かに、販促の常識としてわかりそうな項が多いです。というより、ソーシャルメディアマーケティングに関する知識の大半がそうだと言っても大げさでない気がします。
でも常識として知っていても「自社で扱っている商品とからめて実際にどう行動すればいいか?」に変換できる人というのは、あまり多くありません。今回登壇した講師の人たちは、そういう導きができる人たちなんだろうなと思いました。
書籍では、この10箇条も具体例を添えて紹介されています。
そんなこんなで、講師がたくさん、ボリュームたっぷりの楽しいイベントでした。
私も著者=海賊の子分として、執筆の大変だった話とか裏話などを5分ばかり話してきました。
タイトルが「Facebook」となっていますが、Web制作・マーケティングの「考え方」全般が身に付く本だと思います。
札幌だと、連休明けあたりにジュンク堂や紀伊国屋に並ぶのではないでしょうか。ぜひ宜しくお願いしますー。