2015年の「第3回baserCMSデザインテーマコンテスト」でグランプリをいただいた、「ratio_3_2」の、baserCMS4系対応バージョンをリリースしました。
マーケットへの登録はもう少しかかりますので、GW中に試してみたい方はGitHubリポジトリからフォークorダウンロードしてくださいませ。
https://github.com/webbingstudio/baser_theme_ratio_3_2
baserCMSが4系になってから、もう二年近く経ちます。この間に開発元のキャッチアップさんをはじめ、ユーザーの皆さんから4系への対応をリクエストされていました。ずいぶん時間がかかってしまい、すみませんでした。
このテーマの話を改めてしてみたいと思います。
美しいだけのテーマへの疑問
ratio_3_2には
「美しいだけのテーマに、さよならを。」
という、辛口なキャッチコピーを持たせています。
これには口先だけではなく、明確な理由があります。
不特定多数の制作者への批判と取られかねないことをお許しください。
最近はあまりお請けしていませんが、私のところには、CMSでサイトを構築しはじめたものの手に負えなくなった方、前任者が構築したサイトを改修できなくなった方が、サポートを求めてくることがあります。
残念なことに、比率として、WordPress・baserCMSのような小規模サイト向けCMSが多いです。
デザインが得意な方、CMS構築のスキルがまだ不十分な方が、テーマの「美しい」外観を見て「できそう!」と思ってしまうのです。
相談を受けたテーマを見てみると、表向き「美しい」けれど、公開後の改修・増設をまったく想定してなかったり、内部で使用されているPHPスクリプトの構文がでたらめだったりします。CSSやJSがメチャクチャなこともあります。
また、肝心のコンテンツが貧弱すぎて
「これ、私がガワを直したとしても、誰も幸せにならないよね…?ねえ…あなたこれでいいの…?」
と内心憤ることも、正直ありました。
コンテストに応募するにあたって、多くの方に使っていただくわけですから、無責任なテーマを作りたくはありませんでした。
コアにCSSフレームワークを含め、画像素材の比率をすべて確定させ、インポートデータにゼロベースからの制作マニュアルを含めることで、当時の自分のモヤモヤへの答えとしました。
このような挑戦的なテーマを推してくださった、審査員の皆さんには今も頭が下がります。
このときに指摘されたデザイン面の課題などは、その後に制作した「echo_zero」や「zeroichi_lp」に反映されています。
昨日の我に今日は勝つ
こうして、ratio_3_2をリリースしたものの、baserCMSの4系がリリースされたところで、私は壁にぶち当たることになりました。
自分が作ったテーマを改修できなかったのです。
ratio_3_2は、コンテスト前のひじょうに短い期間、私自身のテンションが非常に高かったときに、一気に作り上げたテーマです。実質、数日間だったと思います。
その後はa-blog cmsのエバンジェリストになり、PHPから離れていたこともあって、baserCMSのコードが読めなくなってしまいました。
bootstrapのマークアップを優先しすぎて、オリジナルの関数を多数書いていたのも良くありませんでした。
つまり、テーマのコンセプトで指摘していた問題点に、私自身がはまってしまったのです。
これはかなりの挫折で、ズルズル二年が経ってしまいました。
今年は立ち止まっていたことに諸々向き合おう、と考えて、最初に手を付けたのがratio_3_2の復活でした。開発の江頭さんやユーザー会の皆さんにもずいぶんと助けていただきました。
ようやく「昨日の我」に勝つことができたことに安堵しています。
ただ、今度は「今日の我」に明日勝ちたいとも思います。
有料版のratio_3_2のバージョン2系を作れないかとも考えています。
やや古いファーストビューを今どきの感じに直すとすれば、下の画像のような感じでしょうか。
3:2しばりでは限界がありますね…
最近は一般向けの画像加工ソフトも優秀ですし、素直に、echoプロジェクトのbaserCMS版を作った方がいいのかもしれません。
baserCMSは私が普段受注している大規模なサイト向けではないですが、PHPの学習ベースやこういった実験的な創作目的で、今後も関わっていくだろうと思っています。
もうちょっと関数リファレンスや、テンプレートエンジン的な関数が増えてくれればいいのですが。twigが使えるようになるプラグインとか出てくれないですかw