全国のa-blog cmsのパワーユーザーが集まる、恒例の「a-blog cms Training Camp 2015 Autumn」に参加してきました。
私は通算で7回目くらい?になります。
この時期はだいたい体調を崩します。今年も低調だったのですが、自宅が名古屋市内になったことと、毎度の充実ぶりで二日間乗り切ることができました。
毎回「a-blog cms Training Camp」には、けっこう無理しても参加してしまいます。
このイベントがパワーユーザーに愛される理由を、そろそろ他のCMSの開発元にもバラそうと思います。
a-blog cms Training Campの何がすごいのか
「a-blog cms Training Camp」は、セミナーとハンズオンで構成されています。ハンズオンでは、β版の新機能やこれまでの機能で習得が難しいものを、開発元スタッフのサポートを受けながらじっくり試すことができます。
ハンズオンの開始前に、参加者には二枚のカードが配布されます。
一枚目には、サーバーの接続情報が書かれています。「a-blog cms Training Camp」では、参加者全員に個別のサーバー領域が提供されるのです。単に提供されるだけではなく、a-blog cmsも設置済みです。
なので、まだa-blog cmsを触ったことがない人もすぐに参加できますし、持っている人も自社のサーバーを汚したり、インストールで手間取って出遅れることもありません。
もう一枚目は「よくできましたカード」です。
二日間で、初心者向けからエンジニア向けまで複数のハンズオンが同時に行われます。好きなものに参加し、終わったら担当のスタッフがシールを貼ってくれます(個人的には、Springのときの手づくりスタンプの方が好きでしたが)。
これを埋めていくのが結構アツいです。「ゲーミフィケーション」というやつです。そうとう飲み込みが早く、かつ効率よく回らないと難しいですが、コンプリートを達成する人もいます。
私は、今後使いそうなものに集中するタイプで、右下は「自由研究」を達成したシールです(自由研究については後述します)。途中抜けも可能なユルさがありがたいです。
ユーザー事例が毎回楽しい
a-blog cmsは「極力プログラミングさせない」方針で作られているCMSです。オープンソースではないためプラグインもありませんが、独自タグとインクルードだけでだいたいのことができますし、カスタマイズで致命的なエラーが出ることも少ないです。
このためか、a-blog cmsのパワーユーザーは他のCMSのユーザーとは異なり「とりあえずプログラムを書き足す」「プラグインを調達する」という発想がありません。ユーザー事例も独創的な内容になります。
公開できるものが多くないですが、石川のいちがみさんの事例が参考になるかもです。
いちがみさんは、エントリーカスタムフィールドに「サイトの運用評価」という内部向けの項目を追加しています。クライアントや、運用を支援しているいちがみさんがログインしているときに見ることができ、そのコンテンツの目標、目標までの期間、目標の達成度を共有できるようになっています。
他のCMSでも事例はあると思いますが、Movable TypeやWordPressだと、公開コンテンツのカスタムフィールドと明確に区別したり、表示を整えたりするのに一定の工数が必要です。管理画面のカスタマイズがしやすい、a-blog cmsらしい事例です。
いろいろなパワーユーザーがいますが、最近はピースデザインラボさんが気に入っています。
岡崎市の制作会社ですが、CMSの構築ノウハウだけでなく、高いデザイン・マークアップスキルをお持ちです。今回は事例紹介をしていたのですが、発想が斬新すぎて(しかも魔改造にはなっていない)身を乗り出してしまいました。
他のCMSでもそうですが、事例紹介の面白さは説明するのが難しいです。各システムの単独イベントでないと見られないことが多いので、皆さんもぜひチェックを。
中の人が近い
二日目の午前は、「バージョン2.6.0の新機能」のハンズオンに参加していました。
さっき、a-blog cmsはプログラミングをさせないと書きましたが、2.6.0から「変数」を使えるようになります。
計算をする変数ではなく、レンダリング前のコードを保持するのが主目的です。
「MTSetVarTemplate」だと言ったらMovable Typeな人たちには通じると思います。
私は、これまでインクルードでしかコードの共通化ができないことに不便を感じていたので、ものすごくわくわくしてしまって、午前中をこれの検証=「自由研究」で潰してしまいました。
やってみたいことを試してみたところ、イメージ通りにいかない箇所が出てきました。
午後にa-blog cmsのプログラマの伊藤さんに「こういうことをしてみたいがちょっと無理だった」「こういう仕様だったら嬉しい」ということを話しました。
マニアックすぎて、メールやフォーラムでは通じない話です。実際の画面を見せるなどして、開発者本人に伝えることができるというのは、とてもありがたいことです。
まとめ、そして課題
というわけで、a-blog cms Training Campは持ち帰れるものが多いイベントです。他のCMSな人も偵察で来ちゃっても損はないと思います。
a-blog cmsには課題もあります。バグフィックスやドキュメント整備は遅れがちです。公式テーマは初心者には難しいし、現場で使うと危ない実験機能を不意に積んでくることもあります(面白いけど勘弁してwww)。イベントの最後の「ユーザーからの『こうしてほしい』要望」はいつも大変なことになります。
それでもa-blog cmsと出会って6年、こうして本拠地に来て2年、飽きることはありません。
今回も参加して良かったです。皆さんありがとうございます。
あ、有料テーマ、年内には出します(要望のひとつにこっそりフィードバックしてみる)。