これはMovable Type Advent Calendar 2018の、15日目の記事です。
Movable Type Advent Calendar 2018 – Adventar
Movable Type 7がリリースされてから、MTDDC HOKKAIDOやCMS Mixやパワーユーザーのブログを通して、一年間今後の事を考えてきました。その結論として、今後の業務での主力はMT7ではなく、ASP版のMovable Type.netにしようと思います。
誤解のないよう早めに論旨を書きます。消極的な意味で言ってるのではないです。
- .netの運用に特化した機能追加がすごいっていうかやばい
- パッケージ版と私とa-blog cmsの関係の変化
- 私とWordPressの関係の変化
- 原点への回帰
という理由です。
.netの運用に特化した機能追加がすごいっていうかやばい
MovableType.netはリリースから三年以上が経ちました。リリース当初はあくまでMovable Type6の軽量版に過ぎなかったのですが、現在ではMovable Type 6の主要機能をすべて引き継いでいるだけでなく、常に活発な機能追加・改良が行われています。
特に、パッケージ版のMTでは難しかった、外部連携と運用に関する機能には驚きます。「Movable Type.net活用ブログ」を見ていただくといいですが、特に「えええ?レンタルでそこまでできるの!?」と思ったのは以下です。
- CSVインポート・エクスポート機能を利用してウェブサイトの骨組みを作る – MovableType.net 活用ブログ
- IFTTT Webhooks 機能を使って記事の公開時に指定したSlackのチャンネルに通知する – MovableType.net 活用ブログ
- ワークフローの活用例 企業編(アカウントを持たない部長も参加) – MovableType.net 活用ブログ
- 終了日や件数でフォームの受付制限をする方法 – MovableType.net 活用ブログ
- 共有プレビューを使いこなして効率的で安全な運営を! – MovableType.net 活用ブログ
- Google Home Mini だけでワークフロー機能の承認を行うプロトタイプを作ってみた – MovableType.net 活用ブログ
- ジャパリンガル連携を行うことで、作成済みの記事、もしくはウェブページのタイトルを選ぶだけで翻訳依頼を行えます
IFTTT向けのWebhookに対応しているのは大きいです。Slackに限らずなんにでも投げられそうです。.netではページを公開せず、何かのハブに使うという新しい運用もできるかもしれません。
パッケージ版と私とa-blog cmsの関係の変化
パッケージ版に関して、昨年はMT7を前にして駆け込み的案件が多かったのですが、今年は少なくなっています。おそらく各企業が様子を見ていて、安定した来年から増加するのだろうと予測しています。ただ、札幌市はMTを専門としている会社が多いので、専門ではない私のところにどのくらい相談が来るのかは不透明です。
そんな中、秋のa-blog cms Training Campで、a-blog cmsにコンテンツタイプ機能が実装されるという話が出ました。厳密には既存のブログのコンフィグをパッケージ化して、複数のブログで使い回せるようになるのですが、原理としては他のCMSとあまり変わりません。
a-blog cmsもリリースから10年が経ちます。機能追加や大型化が進んだことで、だんだんMovable Typeパッケージ版との立ち位置のかぶりが多くなってきました。
また、私の中で軽量CMSにどれを使うかというのが決まっていませんでした。Jimdoはブログに難がありますし、BaserCMSやCraftも悪くないのですが、私に来る案件(かっちり系のコーポレートサイトが大半)にいまいち合致しません。軽量なままで機能が増えて、かつこれまでのリソースを活かせる.netを推さない手はないと考えています。
もちろん、MT7も引き続き勉強するので、案件のお手伝いやバージョンアップは十分できると思います。
私とWordPressの関係の変化
推さない手はない、と書いたものの、私がCMSの種類を提案できる案件はとても限られています(以前より増えましたが)。相変わらず、WordPressになるケースが多いです。主に以下の理由です。
- 初期予算がない(というか抑えなければならない)
- クライアントがずっとWordPressを使ってきたので乗り換えたくない
- WordPressからの移行コスト(CMSを乗り換えると一年分の保守コストを上回ってしまう)
一方で、「補助金制度」というものがあることも知りました。それを活用するようなサイトであれば、初期予算がない問題はクリアできます。そしてWordPress5.0のGutenbergです。私は気に入っていますが、ざっとツイートを調べた限りでは一般ユーザーの混乱は大きく、これまでのセキュリティの問題もあって、以前より乗り換えの意識は強くなっています。
こうなると、あとは私の説得力になってきます。
原点への回帰
まあとにかく、正式なアカウントを取って公開サイトを運用して、インプット・アウトプットしないとと考えています。a-blog cmsでもそうしてきました。
個人的な理由になりますが、MovableType.netを見ていると、MTを使い始めた頃を思い出します。
15年前、当時はやっていたウェブ日記が不満で、手探りでMTをインストールしました。あの頃は自分が書いたコードや記事がHTMLで書き出されるのが本当に楽しくて、毎晩「これでどんなサイトが作れるだろう」と試行錯誤していたものです。
MovableType.netは、あの頃の私が望んでいた「MT3.0が成長した姿」かもしれないです。
.net案件は、既に何度か経験済みですので、いつでもサイトを構築できます。また、MT7に関しても良い会社をいろいろ知っていますので紹介可能です。お気軽にウェビングスタジオまでご相談ください。