「さくらのレンタルサーバー」のドメイン管理の独特の仕様でハマったので記事にしておきます。
「さくらのVPS」を解約し、ドメインとCMSを「さくらのレンタルサーバー」へ移転したいという依頼でした。
移転当日、いつものように、さくらインターネットの「ドメインメニュー」でDNSを変更して、レンタルサーバー側のコントロールパネルにドメインを登録しようとしましたが、できません。
「さくらのレンタルサーバー」は、以前の所有者のコントロールパネルや移転前のサーバーにつながっていると追加できないというのは以前から知っています。ですが、今回の場合はすでに新しいサーバーへつなぐよう変更しているのに、追加できません。
変更ではなく削除
困って、さくらのサポートへ相談したところ、以下のようなお返事がありました。
さくらのレンタルサーバにドメインの追加設定を行います場合
現在のゾーン情報が削除されている必要がございます。会員メニュー画面上 “契約情報” → “契約ドメインの確認” →画面右下 [ドメインメニュー] → 該当ドメインの [ゾーン編集]
→ 画面左 [削除] にて現在のゾーン情報を削除ください。削除後、新しい設定は作成せずにさくらのレンタルサーバの
コントロールパネルからドメインの追加設定を行ってください。
つまり「さくらのレンタルサーバー」に独自ドメインを使用する場合は、同じアカウントが取得したサーバーであろうと、どのような設定であろうと、二回目以降は、一旦設定を削除しなければならない、ということらしいです。
これまでずいぶん、さくらのサービスを使ってきたと思ったのですが、VPSからレンタルサーバーへ移転するケースははじめてだったということに、今更気づきました。
お名前.comやムームードメインと同様に、先にDNSの設定をしても良いのだと思いこんでいたのでした。
※画像のユーザーID、ドメインの設定、履歴はでたらめです
削除するとどうなるのか
なるほどそういうことか、ではドメインの設定を削除すればいいですね、ポチ
と削除したところで、この仕様の本当に恐ろしい部分に気づきました。
今回のドメインは、メールはさくらのレンタルサーバーではなく、GsuiteのGmailサーバーを利用していたのです。
削除した時点で、Gmailサーバーへつないでいた設定も全部切断されてしまいました。
お客様には、メールには影響がないとお伝えしていたので大失敗です。平謝りで設定をし直しました。
事前に設定を控えておいたのが不幸中の幸いでしたが、一時間ほどメールの送受信ができなくなってしまいました…
まとめ
結論からいうと、「さくらのレンタルサーバー」への移転の注意点は、以下の通りということになります。
- さくらのVPSなどの他サーバーに接続していたさくらのドメインを使用する場合は、一旦設定を削除しなければならない
- その際にGmailなどの、外部サービスへの接続もすべて切断されてしまう
この業界で15年仕事をしていて、こんな記事を書いていて大丈夫だろうか…と凹んでいます。
いつもと同じ感覚で作業すればいいや、というのが事故の元になることが、改めてよくわかりました…