2009 年6月27日に開催された、CSS Nite LP, Disk 6 「CMSリベンジ編」の参加レポートです。
14:55~
「Web Release 2」
ベンダー:
フレームワークスソフトウェア
(プレゼンは代理店の
メディアプローブ)
【使用経験なし】
良いCMSの条件とは?
成長するCMS
- 企業の成長とともに変化する
- 市場環境の変化に適応する
- 技術革新に対応できる
→最初の費用が高くても長期的にカバーできる
CMSに求められる柔軟性
- 制作時:テンプレート開発
- コンテンツ入力
- 運用時
- KPIを高めるためにPDCAサイクルを回す
→フィードバックされた結果を基にチューニングを施す場合、CMSは不可欠 - 短期間・低コストで対応できることがCMSの必須条件
- カットオーバー時の「柔軟性」が重要
- 他案件への再利用
Web Release 2は…
- SEO効果の高い静的コンテンツ生成型
(Perl / PHP / JS / XML / CSS等の生成も可能) - デザイン・レイアウト・サイト構造に制限がない
- WEB標準対応
- リポジトリー型
- パッケージ型のためインストールおよび管理が極めて容易
- ハイパフォーマンス(CPUのコア数が増えるほど速い)
可用性の高いシステム構成
CMS本体があるサーバーと公開用のサーバーが別(更新するごとに自動FTPで転送)
公開用サーバーは最低限のパフォーマンスで運用でき、CMS側がダウンしても安心
ライセンス体系
エンタープライズエディション ・・・ 300万円
ワークグループエディション ・・・ 50万円(500ページまで)
オプションによる割増は一切なし→1000万クラスのCMSと同じ機能を持ちながら意外とリーズナブル
WebbingStudio追記:
後の管理画面の話で、ライセンスについての補足説明がありましたが、わかりづらいのでここに書きます。
別サーバーからFTP同期という性質上なのか、ライセンスは「1システム単位」となります。
ドメイン単位でライセンス料が発生しないので、別ドメインが多いほどお得になると思われます。
Web Release 2を選ぶ理由
- Sinplicity & Complexity
- まるで「白いキャンバス」
WEBの既成概念にとらわれないレイアウト・サイト構造が実現可能 - とにかく開発が楽
Web Release 2.4の新機能
- 承認ワークフロー
- WYSIWYGエディター
- 独自タグの追加
- 関数の追加
ここでプレゼンター渡辺さんの主張:
CSS Nite配布の「CMS比較表」だと、機能面では「○」か「×」しかないが、
ただ「できる」というだけではいけないんじゃないかと。
導入事例
管理画面
入力画面は固定されていない
「要素」を決めておけば、フォームが自動作成される→MovableTypeのカスタムフィールドが全項目に使えるイメージ
独自タグの基本書式は %+引数+%
引数には日本語が使える(テンプレートに %タイトル% と書けばOK)
デモ(株式会社ボールによる)
日産自動車
「NOTE」 各車種のFlashサイト
Web Release 2が静的ファイルを生成できることを利用してXMLを作成→Flashで作成しておいたテンプレートにデータを反映
Flashだけで作ると製作費がかかるが、テンプレート化・CMS組み込みをすることで省力化
オンライン見積では車の細かいオプション品にも対応
(同種のオプション品を選ぶと他のオプションが選べなくなる判定もWeb Release 2の入力項目で対応)
ちなみに、一車種あたりXMLテンプレートが300~500もあるが
Web Release 2で作成したテンプレートは数十程度で済んでいる
リリース後 ・・・ テンプレートを変更して「HTML版」もリリース
ひとつのCMSをFlash・HTMLにも利用できる
ACROSS
過去の有名ファッション雑誌 現在はWEBマガジンで運営
渋谷、原宿のおしゃれな人のデータベースアーカイブ
各取材内容の他に、取材相手が見に付けている服・靴・アクセサリー等の「アイテム」にタグ付けがしてあり90年代からの膨大な関連データにひも付けされている
→CMS導入前のHTMLはそのまま活用している
感想
大企業で2000年ころから多くの実績を持っている、本格派のCMSです。
なにしろライセンス料が高いので、私を含めて詳しい仕様や実績などを聞いたのは初めて、という人がほとんどだと思います。
MovableTypeがあまり好きになれないという人にMTの良さを伝えるとすれば、このWeb Release 2と同様「完全な静的ファイルを出力できる」点を私はまず挙げます。
つまりは「テキスト」であればなんでもいいわけで、全く別個のプログラムを書かせることもできますし、事例の日産自動車のようなXMLとFlashの連動も容易です。
さらにWeb Release 2が優れているのは「全く別のサーバーから公開サーバーを操作する」システムで、万一公開用のサーバーを攻撃されたり、CMS用のサーバーが落ちたりしてもサイトへの影響が最小限で済むのです。
ライセンス料のほとんどはこの、圧倒的な「実績」「安定性」にあるのでしょう。
が、twitterのタイムラインでも多くの人が突っ込んでいましたが、プレゼンの内容が内部構造ではなく実績やマーケティングへの効果という表面的なお話ばかりで、結局全容が掴めませんでした。冒頭のグラフの「直感的/構造主義」が不明になっているのはそのためです。
英語・専門用語大杉。
公開ページは後で見るから、管理画面もっと見せて。
大企業を相手にお仕事をしてきたという性格かもしれませんが、まるでクライアント企業の重役相手のプレゼンを見せていただいているようで、私たち現場のWEB屋には響かなかったです…
ここで、進行役の鷹野さんがいきなりの爆弾投下。
「そういえばSOY CMSのときは聞き忘れたんですが…このCMSを使ってみたいと思った人ー」
鷹野さん!このタイミングはないわー!
まだふたつしか聞いてないし、「使ってみたい人」って言われたら、そりゃ誰も50万円のCMSに手挙げられませんて!
というわけで、公開処刑っぽくなってしまい、ちょっと気の毒なWeb Release 2でした…
(エンディングでは何人か手挙げてましたけどね)
システム的には、予算と環境さえ許せば素晴らしいものだろうと思います。天下取りたい人向け。