cssnite_lp6

2009 年6月27日に開催された、CSS Nite LP, Disk 6 「CMSリベンジ編」の参加レポートです。

lp6_cmsd

15:50~

CMS Designer
ベンダー:
アル・デザインワークス

【使用経験あり】

レポートを書き始める前に、一点フォローがあります。

セッション後の質問コーナーで、
「CMSDは文書宣言より前にPHPスクリプトを書き込む仕様になっているので、テンプレートをローカルで見たときにIE6で互換モードになってしまうのですが、なんとかなりませんか」
という質問をしたのは私です。

この質問を聞いて
「サーバーにアップしたあとも互換モードになってしまうのか!」
と誤解した人がいるらしく、アル・デザインワークスさんにご迷惑をかける事態になってしまいました。

私はCMSDの使用経験がありますが、後方互換モードになるのはローカルで見たときだけです(当然ですがこんなふざけたバグがある IE6だけです)。
PHPのコードおよび各種CMSの独自タグは、実行時は出力されることはありません。

なんかすみませんでした o…rz

この質問をした細かい理由については最後の感想で書きます。

アル・デザインワークスについて

福井県の制作会社
東京から3時間 / 越前カニ美味しい / オバマ大統領を勝手に応援する会…申し訳ございません

これからのWEBはどうなっていくのか?

それぞれが独り勝ちを狙っている→もちろんCMSも…
ひとつのプラットフォームに依存しすぎないことが大事

  • バージョンアップでプラグインが使えなくなる
  • 構築の仕事が「CMSの部品を作るだけの簡単なお仕事」になりかねない

MovableTypeの問題点

  1. 一か所の修正がサイト全体に影響する
  2. MovableType以外のブログ・CMSへのデザイン移行が面倒
  3. プラグインの保証がない

(もう一点あったのですが失念してしまいました)

CMS Designerは…

ページ単位でCMSを作れる
既存のHTMLの中にCMSを「埋め込む」発想

実績

下村楽器店
武生刃物卸 など

構築をした株式会社アーキテクチャウェブシステム様の声
「お客様へのレクチャーが短かった」
「制作の費用を抑えられた」

CMSDは管理画面の入力項目を自由に構成できる
余分な説明・よくわからない専門用語がない

ここでプレゼンター新出さんの主張:
FCK Editerにも対応しているけれど、こんな入力支援を使わなくてもきれいなサイトを構築できるのがCMSDの理想です。

構築の流れ

テンプレートはXML+XSL

  1. フィールドの定義(スキーマ)
    →XMLファイルでテキスト、ファイルアップロード等の入力仕様や順序、ラベルを既定
    →XSLファイルで動的部分の出力HTML、細かい条件分岐などを既定
  2. コンテンツを保存する場所としてコンテンツ毎に格納フォルダを用意する
  3. 既存静的ページのHTMLの先頭・末尾におまじない(=PHP構文)を入れる
  4. 既存のHTMLコードを
    <cmsd:entrylist name=”hogehoge”><cmsd:design>

    </cmsd:design></cmsd:entrylist”>
    で囲み、XSLタグを書き込んでいく
  5. ファイルの拡張子を「.php」にする(サーバーでmod:rewriteが使用可能であればHTMLでもできる)

URLによる動的ソート

URLに引数(?hoge=xxx&huga=yyy)を付けることで、記事の項目内容による絞り込みが簡単にできるようになっている
他のCMSの場合は各ページを書き出すことを想定しなければならないがCMSDは引数で条件に沿ったページを自動生成するので、複雑な条件分岐はあまり必要ない

その他

  1. 日時指定(コンテンツごとに任意で要・不要を設定できる)
  2. ユーザー権限
  3. コマンド制限(記事の作成はできても削除ができないユーザーを作るなど)
  4. 表示制限(管理画面で自分が書いた記事しか表示されないなど)
  5. ページキャッシュ

感想

私がCMS Designerのことを知ったのは、制作会社で働いていた頃に社長から「これは使えるだろうか?」と聞かれたのがきっかけです。

当時はサーバー等の条件が合わず導入は見送りましたが、WEBの知識がない(しかもCMSには慎重だった)50代の社長が興味を持ったということは、それだけ簡潔なインターフェースだったということです。

「埋め込む」「データベースがいらない」「世界共通技術のXMLベース」という概念のため導入しやすく、マニュアル、サンプルデータもきちんと完備されています。今回のCSS Niteでも「プレゼンうまいなー」という印象を受けました。

CMSDの方が「救世主」には近い気ガス ´・ω・)

でも、進行役の鷹野さんが指摘している通り、カスタマイズの工数は規模の割に多いです。

また、テンプレートエディタはなく、「スキーマ」という概念が理解しにくいため、レンタルブログ等でのカスタマイズ経験がない人、XMLが分からない人にはややハードルが高いです。

ここで冒頭の質問の件になるのですが、
私が一人で構築をするのであれば、ローカルプレビューの件は全く気にならないのです。レンタルブログのカスタマイズのときは全てブラウザで作業しますし、そもそもIE6なんか、あと一年くらいでゴミ箱に放り込んでもいいブラウザです。

でも、自分以外の(CMSDのスキルがない/そもそもコーディングの技量も未熟な)同僚・後輩などとチーム制作をする場合、細かい説明をしなければならない点が多いと、じわじわと最終的な作業時間に関わってきます。

ぶっちゃけ、PHPとXMLをいろいろ書きこまなければならないのであれば

MovableTypeかWordPressで記事リストだけ作って、includeでよくね?

となってしまいます。

そのようなわけで、私の中では、導入したいけれど残念なCMSとして位置づけられてしまっているのです。
公開後に撤去できるようなテンプレートエディタができたり、PHP構文がいらなくなってほしいところです…

この記事を書いた人

うぇびん

愛知県豊橋市に住んでいる、荒ぶるウェブおばさん。WordPressをはじめとした各種CMSを研究するのが好き。札幌のIT企業のビットスター株式会社に所属しています。